日記
2015年11月06日
時間の止まった日、心の闇
真夏の暑い夜だったような気がするが、そんなに
暑かったのかどうかは定かではない。
ダイニングルームのちょっと固い板の間に背中を
押し付けて大の字になっていた。とても気持ちよかった。
それと、何となく幸福感を感じていたような気もする。
自分は彼女を愛しているし、彼女が自分のすべての
ような気がしていたんだと思う。
そのことで、自分のすべての失敗は報いられ、
これからもそのことによって、幸福のすべて
を見い出そうと思った。それが、間違いだった。
彼女は、台所に立って、くつろいでいる私に向かって、
何か罵詈雑言を浴びせた。
その言葉が何だったのか、今となっては記憶の
闇の底だ。しかし、その言葉で私の幸福感は、
理由のない怒りに変わってしまった。